季節の一曲 ⁕ Season's Music
♪フルートデュオのための「やさしい花」♪ (ブルクミュラー 作品100へのオマージュ)
"Tendre fleur" for 2 Flutes (Op.100-10) (F. Burgmüller/ Nanase)
フルート二重奏 ムラマツ・オリジナル・シリーズ83 (2023年)
原曲は、ピアノを習ったことのある方なら、ほとんど必ず弾くと言っていいくらい、良く知られた曲です。
シンプルで音が少なく、短い曲にもかかわらず、美しい旋律の優美な雰囲気、旋律のかけあい、中間部の転調とテーマの再現など、伝統的な西洋のクラシック音楽のキモがしっかり詰まっていて、演奏難度も高くないとくれば、初心者には理想的な楽曲ということでしょう。
このフルート版では、細かいアーティキュレーションを力まずに、さりげない感じに決めるのが鍵かもしれません。特に上行形のテーマが細切れにならずに連続して聞こえるようにまとまってゆくと、この曲の愛らしい雰囲気が出てきます。たとえば、春の淡い色の花々が穏やかな陽気の中、そよ風に揺れているような…。楽譜のDの変奏部分は、自由に羽を伸ばす感じで楽しみながら、カデンツにつなげていくといいと思います。
ブルクミュラーの生活圏であった欧州の春は、日本の関東あたりの穏やかな春よりももう少し力強い、生命力や激しさを感じるものです。優美な曲調のなかにも、どこか芯の通った切れ味が出てくると素敵だなと思っています。